3月14日(木)、北九州地区にて障がいのある人たちの表現活動を広めていくこと、横断的なネットワークを図ることを目的とした講座を開催しました。
当センターは、国が実施している障害者芸術文化活動普及支援事業として、2020年から福岡県内各地で障がいのある人たちの芸術活動にまつわる様々な活動を行なっています。
今回は「表現活動の進め方」をテーマに、3名の講師をお招きし、障がいのある人たちの表現活動にまつわる環境整備、作品の商品化や製造体制づくり、商品の販売や広報活動についてそれぞれお話しいただきました。
参加者は福祉施設関係者の他、表現活動を行っている方、教育関係者、雑貨店やカフェを経営されている方など様々。開始前から各グループ毎に交流が生まれて賑やかなスタートです。
まず初めに、当センター長の樋口から、障害者芸術文化活動普及支援事業とその中で当センターが行なっている事業について簡単に説明。
その後、それぞれ3人の講師の皆さんより事例の紹介を行なっていただきました。
事例紹介お一人目はひまわりパーク六本松でアート支援員をされている山中さんです。
アート活動を始めるための環境整備について、アートを就労として成り立たせるための段取りから、販路を拡大するための取り組みまで、画材の紹介や、道具や原画の管理方法などを織り交ぜながら、具体的かつ丁寧にお話いただきました。
続いては、長崎県佐世保市にあるminatomachi factoryにてブランディングマネージャーをされている坂井さん。商品開発から商品を送り出すまでのプロセスについて、商品を販売するためのブランディングや福祉・アート・ビジネスのバランスをどのように考え進めているのかなど、具体的な事例を交えながら詳しくお話いただきました。
最後は、福祉施設の商品を中心に取り扱っている雑貨店「Flat」の店主である吉富さんより、販売するにあたり必要なプロセスとして、ターゲットを定める所から商品の選定、見せ方や販売戦略や計画目標の設定のお話から、ECサイトの運用方法やSNSでの広報について、それぞれのメリットデメリットを交えてわかりやすくお話いただきました。
それぞれに、生の現場から生まれたリアルなお話からちょっとした失敗から学んだ対応策などを織り交ぜながら、考え・検討すべき必要な流れを丁寧にお話いただき、参加者の皆さんの今後の活動にヒントになる事例をたくさんご紹介いただきました。
後半はオンライン参加の方も加わってのグループディスカッション。
未来に向けたDX化への可能性やサポート体制の心構え、ビジネスにつなげるためのノウハウなど、登壇いただいた講師の皆さんからも、様々なアドバイスを提供いただきました。
参加者の皆さんからは
・横のつながりが弱く、情報がとても不足している現状でした。今日の学びを繋げていきたい。
・福祉の仕事の持つ、クリエイティブである面、より身近なものであるという面をもっとアピールしていけるような工夫や仕掛けをしていきたいと思いました。
・私たちが今、悩んでいることで、非常に勉強になりました。
・芸術に精通していることが大切なのではなく、作品の持つ魅力をどのように活かしていくのかということがより大切なのだと知りました。
等、それぞれの立場からの様々な嬉しい声をいただきました。
何よりも、今回参加者の皆さん同士の会話が盛り上がり、終了後には立ち話し&名刺交換が始まり、北九州の新たなネットワークを構築できたような気がしています。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
引き続き、学びと交流の場を作り続けていきたいと思います。