レクチャー&相談会 レポート【芸術活動の進め方について(舞台芸術編)】

障がいのある人たちの芸術活動が日々の営みや仕事創出を目的として行われ、美術作品や舞台芸術の発表が各所で開催されている近年、当センターには芸術活動に関心が高まっている方やさらに活動の幅を広げたい方たちからの相談が数多く寄せられています。

このような状況を踏まえて、課題解決や情報共有を目的とした「レクチャー&相談会」を4つのテーマに分けて開催する運びとなりました。

1回目となる11月11日(水)は、障がいのある人たちとの舞踏、音楽、ダンス、舞踊などの環境づくりや舞台作品にするまでの過程を学び合う場として「芸術活動の進め方について(舞台芸術編)」をテーマに開催。

講師・アドバイザーに、一般社団法人パラカダンス代表理事で振付家・ダンサーの野中香織(そら)さんを迎えて、舞台芸術活動の進め方について事例紹介のお話を伺うとともに参加者の皆さんとの意見交換を行いました。

そらさんはコンテンポラリーダンスの手法を生かして、各地の芸術祭や教育現場、福祉施設などでコミュニティダンスの実践を行なっており、2018年に一般社団法人パラカダンスを設立。障がいのある人たちとのイベントを主催したりダンスの講師をしたりと活動を展開されております。

前半は、そらさんが法人を設立するまでのお話から、設立後の活動や国内外の事例を紹介。舞台芸術活動を行うにあたっての環境づくりや作品づくりをはじめ、障がいのある人たちとのコミュニケーションの過程で押さえておくべきポイントや考え方、企画の立ち上げ方などをお話いただきました。

後半は参加いただいた皆さんとの意見交換と質疑応答。

表現活動を舞台へとつなげていく中で出てくる、葛藤にやこれから活動を行う際に必要なポイントやコツなど、さらに掘り下げた質問も飛び交い、熱いディスカッションが繰り広げられました。参加いただいた皆さんからは、「視野が広がった。葛藤しながら進むことに自信を持つことができた」「大変熱い思いを持って取り組まれており、刺激をいただいた」などのお声を多くいただきました。

さまざまな立場から福祉の分野に関わる方々同士での意見交換は、立場は違っても思いは同じであることを改めて実感するとともに、お互いの情報交換の場としてとても有意義な時間となりました。