レクチャー&相談会 レポート【芸術活動の進め方について(美術編)】

『アートサポーター レクチャー&相談会』 第二回は「美術編」として、障がいのある人たちとの絵画、写真、書、造形などの創作環境づくりについて学び合う会を開催しました。

前半は、当センターの樋口より、国内での障がいのある人たちによる芸術活動の歴史や、当法人が運営している「工房まる」での創作活動の事例を通して、障がいのある人たちと芸術活動を行う目標を設定した上で、その人らしく表現活動ができる環境整備と創作支援についてのプロデュースやマネジメントについてお話しさせていただきました。


後半は、レクチャーでの話を踏まえて、参加者の皆さんが現在抱えている課題や感想、意見を共有し、意見交換を行いました。

意見交換の中で、福祉事業所の職員である参加者の方から、「ある利用者の行動から生み出される表現がとてもおもしろいのだが、他の職員は問題行動と捉えてしまっている状況がある」というお話があり、さまざまな意見が飛び交う中、「他の人と同じような行動をとることが、その利用者にとって本当に幸せなのか?を事業所内で議論する必要がある」という意見があり、一人一人がその人らしくいれる場や時間をつくって、サポートする人たちも彼ら彼女らの表現を柔軟に受け入れて社会へとつないでいくことがとても大切だと感じました。

また、他の参加者のからは、「利用者一人一人に光を当てたいという気持ちが先走り、作品にしなければ、という焦りが出てしまう」というお話もあり、キーワードとして出てきたのが「待つ」という言葉でした。福祉施設は待つことができる場所ということもこのディスカッションで再認識することができました。


今回は【芸術活動の進め方について】というテーマで、実際にアート活動をされている方、これから活動を始めていきたいと思っている方など、さまざまな立場の方々に参加していただき、多角的な視点からより深いディスカッションとなり、とても有意義な時間となりました。