「現場体験ワークショップ」を開催しました

10月28日(木)、大野城まどかぴあにて「現場体験ワークショップ」を開催しました。

8月にオンラインで開催した『文化と福祉のマッチング相談会』に続く実践編として、障がいのある方と一緒に施設館内を巡回体験し、気づきを共有していくワークショップで、施設を利用する障がいのある方とのコミュニケーションや心地よく施設を利用してもらうにはどんな配慮が必要なのか?など、接客や鑑賞時の配慮についてのノウハウを一緒に体験して学びあう場を作りました。

参加者は19名。『文化と福祉のマッチング相談会』から引き続き参加の方はもちろん今回初めて参加のされた方など、文化施設関係者や福祉関係の方々に参加いただきました。

まずはチームに分かれてお互いの紹介をして館内体験ワークスタートです。
『館内でのコミュニケーションや設備における「バリア」に気づく』をテーマに、4グループに分かれ、障がいのある人に1名ずつ(車椅子利用者、視覚・聴覚障がい者、知的障がい者)入っていただき、あらかじめ設定した館内中のポイントを巡回体験していきます。

ここでは、ホールやトイレ、階段やエレベーター、駐車場や総合案内など、普段何気なく利用している場所を一緒に体験することで生まれる気づきから、必要なちょっとした設備や声かけの対応などのノウハウを学んでいきました。

館内に設置されている手すりや点字ブロック、案内表示の位置などが本当に必要な方に届くものになっているのか、使いやすいのか、誘導するために適しているのか。
障がいのある方、介助者の方と共に様々な視点で対話をしながら施設を巡回することで、障がいのある人の日常にある課題に気づき、公共におけるバリアを体感することができました。

館内体験ワーク後は、体験を共有して参加者の今後の活動につなげていくワークへ。
前半の館内体験ワークで得た気づきをまずはチーム内で共有。その後さらにそれを発表し、全体で共有していきました。

・建物の中は意外に凹凸のある道であるということ。
・広いトイレが不安な方もいるということ。
・総合案内の場所に辿り着ことが困難な方がいるということ。

障害特性によっても必要な配慮はそれぞれで、さらに個人個人で不便だったり困っていたりすることも様々。
参加者が感じたことを全体でも共有することで、施設を利用する上での物理的な配慮には細かい視点が必要なのだという大きな気づきを得ることができました。

最後に行った今後について話し合う場では、

・お互いのことを知る場として何ができるのか
・多種多様な人々を受け入れるための準備の必要性
・施設側の意識の部分から変えて行く必要性
・施設にいかに慣れてもらうか、どうやったらそういう場を作っていけるのか

という意見やこれからの課題等が生まれとても有意義な会となりました。

「建物のハード面がバリアフリーではないことをクリアにするのは予算もかかることで難しいという意見はあるけれど、色々聞いてもらえたらそこで解決することもたくさんある。コミュニケーションは無料です!」

これは、一緒に巡回体験を行なった際に出てきた言葉です。
まずは、コミュニケーションをはかることが大事。
必要なのは「理解より知ること」。
これからも様々な場所でこういった機会を作っていきたいと思っています。