アートサポーター養成講座「レクチャー&相談会@筑後」を開催しました

障がいのある人たちのアート活動をサポートする地域のネットワークを構築し、さらに地域に根ざした活動が継続的に行われることを目的に開催しているアートサポーター養成講座「レクチャー&相談会」。

県内の各地域で活動する福祉事業所の方をゲストにお招きし、アート活動を行う環境づくりをはじめ、地域へのアウトプット方法などについてお話しいただき、ゲストのお話からの感想共有や参加者の皆さんからの相談、意見交換を行っていきます。

10月10日(日)は久留米シティプラザ(筑後地区)にてアートサポーター養成講座「レクチャー&相談会」を開催しました。
参加者は、福祉事業所や医療関係者、教育関係者、アート関係者、学生など総勢22名。
今回は感染状況の改善により、対面とリモートでのハイブリッド開催が実現。久しぶりに参加者の皆さんと顔を合わせる機会となりました。
久留米市にあるアトリエ系就労支援事業所「studio nucca」で支援員をされている前田智子さん、椿美都子さんの二人をゲストお招きして、普段から大切にしていること、心がけていることなど日々の活動についての話を中心にお伺いしました。

「studio nucca」は株式会社LikeLabを母体として2014年12月に開所したアトリエ型就労支援事業所です。今回お話を伺ったお二人を始めnuccaのスタッフは元々福祉に携わってきた方ばかりではありませんが、利用者さんはもちろんスタッフもそれぞれの得意なことを活かしながら、一年を通して様々な企画を行っています。
日々の活動の中で大切にしていることは「それぞれの考えをよく観察すること」と「雰囲気作り」。
シンプルですが、お二人のお話からはこの考え方こそが日々様々な活動を行なう「studio nucca」の根っこになっているのだなと感じました。
センスがないからアート活動を取り入れるのは難しいという声をよく聞きますが、必要なのはセンスではなく「観察」。どんなものが好きなのかどんなものに興味があるのか観察していくこと。そしてそれを伸ばしていくことを日々実践されています。

アート活動を行うことで、日々の「自分の自己表出」のような時間が生まれ、それが結果として商品や対価に変わっていけばいい。「循環」に変わっていくことを期待しています。

続いてセンター長の樋口からは、芸術活動の取り組み方についてお話しさせていただきました。
話の中で出てきた「できない」を補うだけではなく「できる」を見つけて伸ばしあっていくという考えは「studio nucca」さんの取り組みにも通じる部分があり、改めて活動を行う上で大切にすべき部分、ということについて考える時間になりました。

後半は、グループに分かれてディスカッション。
リモート2グループ、会場2グループの4つに分かれて意見や感想を共有しました。
それぞれグループ毎に出てきた話を発表していただき、意見交換会・相談会。
社会福祉士を目指している学生さんからの質問や、事業所で新たにアート活動を取り入れようとされている方からの質問、また創作活動の中で出てきた作品の値段に関する質問など、会場からもリモートからも多くの質問が飛び出し、盛り上がりました。

また参加してくださった方からは

●”自立観”のお話はハッとしました。困ったときに相談できる人がいる大切さを感じました。
●障がいの有無ではなく当たり前に「すごい、面白い、かっこいい」と面白がれる感覚を常に持ちたいなと思いました。
●トライ&エラーで思うがまま、やって行きたいと感じました。

といった感想があり、また、

●同じ思いを抱いている方々がたくさんいらっしゃることに気づけて大変良い機会でした。
●人と人とのマッチングの機会となりました。

という声もいただきました。
改めて情報を共有し、話し合える場の必要性を感じた時間となりました。
今後も、どうぞよろしくお願いします。